オクト。

新規による関ジャニ∞備忘録。 良い事もそうでない事も。

口パクが好きではない理由を考える。

口パク・当て振りが好きではない。演出方法のひとつと理解しているし、それが必要な場面もあるとは思うので、やっている人も好きな人も否定はしない。ただ、私は好きではない。

いつからそうなったのかは覚えていないが、理由はいくつかあると気付いたので整理してみる。

※便宜上、楽器演奏に関しては一貫して"弾く"と書いていますが、"叩く"や"吹く"も含みます


視覚と聴覚のズレ

音に合わせて動いているので、どうしたってズレは生じる。どんなに上手く合わせたところで、口パクしている時の体や顔周りの筋肉の動きは実際に声を出している時の動きとは違う。
(だから私は、MVの歌唱シーン撮影でも声を出して歌う渋谷さんが好き。音は音源が被さるにしても、歌ってる時の動きが映像になるので違和感は少なくなる)

逆に『あんなに踊りながら歌ってて、息遣いが全く音に乗らないわけないだろ』とも思うので、聴覚からも違和感をおぼえる。

勿論私も口パク発見レーダーがあるわけじゃなく、全てのパフォーマンスが口パクか口パクじゃないかを判定することなどできないが、『あれ?』と思ってしまったらもう純粋に楽しめない。違和感の方が勝ってしまう。

嘘が嫌い

嘘を吐かれるのが苦手。それが優しさや気遣いから出たものであっても。社会人なので仕事では建前フル活用しているが、プライベートでは思った事を正直に言ってくれる友人の方が付き合いやすい。自分とは意見が違った時に、それを抑えて適当に「そうだよねー」と同意してくれる人より、「私はこうだと思う」って話してくれる人の方が好きだ。

『歌っているフリ』『弾いているフリ』は、私には"嘘"と感じられる。

そして、1つ嘘があると、残りの99も嘘なんじゃないか?と疑ってしまう。『歌っている』のはフリなのに、笑顔は嘘じゃないとどうして思えるのかがわからない。笑っているフリかもしれないし、楽しんでいるフリかもしれないし、仲が良いフリかもしれないし、ファンを愛しているフリかもしれない。って思うと、疑心暗鬼になってしまって楽しくない。

嘘じゃなければいいので、最初から「弾いてないよ!」って言われれば全然抵抗がない。(エアーだと公言してパフォーマンスしているゴールデンボンバーはわりと好き)

踊りながら歌う事や、楽器の音を綺麗に聴かせる事が相当大変なのもわかるので、万人に絶対生歌生演奏でやれと言っているわけではない。ダンスや演出を見せたいならお飾りマイクをつけなければいいし、生音じゃないなら楽器持たなければいいのに。と思うだけだ。

できないと誤解される

主にエイトにおいて、当て振りをやってほしくない最大の理由はこれかもしれない。
実際には歌いながら踊るだけの能力があって(これに関してはエイトは本当に驚異的だと思う)バンドもそれぞれが真摯に取り組んでいるけれど、それを知らない人には、口パク・当て振りをやる事で『できない』と映ってしまう。

例えば、「言ったじゃないか」の時のMステ。*1 MVを模して人形をつけていたメンバーが、途中から楽器に持ち替えるというもの。MVではものすごく格好良い演出なのでテレビでもそれをやりたかったのはわかったが、Mステでは後半の楽器部分が完全にエアーだった。

ファンは、エイトがちゃんと楽器を演奏できると知っている。普段からそんな扱いをしているわけではなく、演出として乱暴なパフォーマンスをしたのもわかっている。

しかし、『関ジャニ∞が楽器を弾ける』という事を全く知らない人が見たら、どう思うか。
「どうせポーズだけで、まともに音出してるわけじゃないんでしょ?」
「バンドやってるとか言ってこれw」
ってなるんじゃないだろうか。

何故なら、私もファンになる前はそう思っていたから。
初めて見たDVDは8ESTなのだが、あまりにも演奏がちゃんとしていたので「ジャニーズがこんなにやれるわけないじゃん!当て振りでしょ?裏でバンドの人が弾いてるか、本人だとしても録音なんじゃないの?」と思った。生音にしか見えないけど、何かしらのジャニーズマジックがあるんじゃないのかと疑っていた。(そして次に見たPUZZLEで、本当に本人達がやってるー!!と確信して一気に落ちた)

クロマニヨンズがエアーで大暴れしていても、本当は弾けないんじゃないの?なんて思う人はいない。クロマニヨンズがバンドとして認知されているからだ。関ジャニ∞は、残念ながらそうではない。"アイドル"である事が前提で、おそらく大半の人がバンド能力を知らない状況での当て振りは『本当は弾けない』と誤解されるリスクが高い。

これはあくまでも私の志向だが、『弾けない』と思われるくらいなら『下手クソ』と思われた方がマシだ。

なので、私はエイトには当て振りをしてほしくない。絶対にバンド形式でやらなきゃいけない理由もないんだから、演奏ができない状況なら音源を流して歌えばいい。エイトの場合、それで困る事はないはずだ。(「生音じゃないなら楽器持たなければいいのに」とは言ったが、普通のバンドだとボーカル以外が手ぶらで出て来るのもそれはそれで辛いだろう)

音楽が好き

私の中で一番優先順位が高いのは、音楽なんだと思う。

演出が素晴らしい公演も、ダンスが素晴らしい楽曲もある。それはそれで楽しい。
しかし、どうしても究極でどちらかを選べと言われた場合。綺麗な演出はなくてもいいから裸のステージで歌ってほしいし、口パクじゃなきゃ踊れないなら棒立ちで生歌を選ぶ。
他の何かのために音楽を捨てるという選択を、支持できない。

(ただまぁダンス曲も好きなので、セットリストの中で数曲は口パクでガンガン踊る曲があってもいいかなと思ってはいます。生歌で踊る方がより好きだけど)

真実が好き

嘘が嫌い、をそのままひっくり返す。

ライブにせよ芝居にせよ、生のステージが好きだ。今ここにしかない、人間の放つエネルギーみたいなものをリアルに感じられる。私はそこにチケット代を払っているのだと思う。

2014年11月号の「日経エンタテインメント!」で渋谷さんが言っていた。

自分らもそうやけど、ライブが好きな人って、ヘンに編集されることなく、たとえ歌えてなくても、キー外してても、歌おうとしてるのを見たいんですよ。だから俺らはそういう姿を見せていきたいです。

まさにこれ。
多少音を外しても、ミスしても、そこでその人がやっているというところに意味がある。

下手でもいいというわけではなく、努力の過程だけを評価するという事でもなく、『やっているフリで完成度の高いものを見せられるより、多少完成度では劣っても今のリアルが見たい』という個人的な志向による。



あくまでもこれは私の好みなので、総合的な演出そのものや、それを求めている人を否定するつもりは全くない。需要と供給が噛み合っていれば、何も問題なし。
私も横山さんの「torn」と「アダムとイヴ」だけは口パクも致し方なしと思っているので、口パクOK派の人は全部に対してそう思ってるんだろうなと推測している。

こんなにゴリゴリなのによくジャニーズに来たなとは自分でも思うけれど、『生歌・生演奏派』だからこそエイトにハマったんだと思う。WESTも然り。そうじゃなければきっと好きになってなかったから、そこに拘ってきてくれた渋谷さんはじめメンバーにも、それを実現できた環境とスタッフにも、とても感謝している。

惹かれたのは ここにある熱いモノが 似ているから きっとそうだろう?

*1:2014/10/17